ゼロの相棒《番外編》
その時だった。
廊下から大きな走る足音が聞こえ
壊された障子の向こう側から、黄金の髪の青年が、ばっ、と現れる。
「フィオネ!!!」
私の名を呼んだ彼は、綺麗で真っ直ぐな
藍色の瞳をしていた。
「……ゼロ………!」
私がかすれる声でつぶやくと、ゼロは私の腕を掴んでいる男を、じろ、と睨んだ。
「………フィオネに触るな。」
ゼロが、低い声で言う。
オーガはゼロを無言で一瞥した。
ゼロは、倒れているゴリーと、横でぐったりしている猫に目をやり、そして口を開いた。
「……あんたがやったのか……?
オーガ………!」
ゼロのドスの効いた声に、オーガは少し眉をひそめると、小さく答える。
「…だったらどうする…?」