ゼロの相棒《番外編》






すると、ゼロはオーガに向かって怒鳴った。







「……何としてでも、お前を捕まえて、一発殴る!!」







その瞬間、オーガの瞳がカッと光った。





突き出した腕からは、黒いイバラがシュルシュルと伸びる。










「ゼロ!逃げて!!」










ゼロは、私の叫び声を聞き、咄嗟に畳に飛び込むようにしてイバラを避ける。






ダメだ!






ゼロはホノと違って、魔法で攻撃したり出来ない。





……このままじゃ、ゼロもホノみたいに魔法にかけられちゃう!






オーガは、私の腕を離すと、更に魔力を放出してイバラの速度を上げた。




イバラから逃げ続けているゼロを、本格的に仕留めるつもりらしい。








と、その時、ゼロが、にっ、と笑った。








「やっとフィオネから離れやがったな…!」








………え…?!







< 293 / 357 >

この作品をシェア

pagetop