ゼロの相棒《番外編》
すると、ゼロはオーガに向かって怒鳴った。
「……何としてでも、お前を捕まえて、一発殴る!!」
その瞬間、オーガの瞳がカッと光った。
突き出した腕からは、黒いイバラがシュルシュルと伸びる。
「ゼロ!逃げて!!」
ゼロは、私の叫び声を聞き、咄嗟に畳に飛び込むようにしてイバラを避ける。
ダメだ!
ゼロはホノと違って、魔法で攻撃したり出来ない。
……このままじゃ、ゼロもホノみたいに魔法にかけられちゃう!
オーガは、私の腕を離すと、更に魔力を放出してイバラの速度を上げた。
イバラから逃げ続けているゼロを、本格的に仕留めるつもりらしい。
と、その時、ゼロが、にっ、と笑った。
「やっとフィオネから離れやがったな…!」
………え…?!