ゼロの相棒《番外編》
オーガの“心映変貌魔法”は、自身の最もなりたくない姿に容姿を変える。
ゼロが…一番なりたくないのは
この“少年”の姿……だったの………?
「ふ…無様だな。お姫様を助けに来て、このザマか。
この町はガキの来るような所じゃないよ。」
オーガのその言葉にゼロは、ギロリと奴を睨んだ。
そして、その視線を受け流しながら
オーガは再び私の腕を取る。
「さぁ、来い。
お前のその珍しい銀髪を可愛がってやる。」
「…っ!離して!」
私は必死に抵抗したが、どうしても男の力には敵わない。
それでも、暴れてなんとか腕を振り払おうとしていると、突然、オーガの瞳が鈍く光った。
!
その瞳を見た瞬間、体の力が抜けていく。
……あれ……?
変だな……意識が遠くなっていく。
おかしな魔法…でも……
かけられた…の…かな……………
そこで、私の意識はプツリ、と途切れた。