ゼロの相棒《番外編》




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《ゴリーside》





「俺はこのままフィオネを取り返しに行く!


お前らもなんか見つけたらすぐに連絡してくれ!」






ホノの治癒魔法で怪我を治したゼロは、
店を出るなりそう叫んで、華の町へと走り出して行ってしまった。





あいつ、特にオーガが居そうな所に目星をつけているわけじゃないのに




どこに行くってんだ。





……フィオネちゃんのことを考えて
じっとしていられないのは分かるけどさ…





当てもなく走り回ったところで、なんの解決にもなりゃしないのに。






その時、俺が胸に抱えている“白猫”が
「…ぅ…みゃぁ…。」と小さく鳴いた。






「ごめんなホノさん…俺、本当に役立たずで…。結局フィオネちゃんも守れなかった」






ホノは、慰めるようにゴリーにすり寄る。







……早く元の姿に戻らないと…





俺たちの手でオーガを見つけて、この事件を終わらせるんだ。






俺は、ふぅ、と深呼吸をして華の町を見る。






「俺たちも行こう、ホノさん。」





「みゃぁ。」







ホノの返事に頷くと、俺はホノを、とっ、と地面に降ろして、華の町の中心に向けて歩き出した。










と、その時だった。











「あれ?君……初めて見る顔だね?」







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