ゼロの相棒《番外編》
その声に急いで振り返ると、
そこには暁の長髪の男性が立っていた。
「新入りさん…ってわけではなさそうだね。
どこから来たんだ?」
俺は、その声と姿に目を見開いた。
「アサギさん!!」
俺がそう叫ぶと、彼は驚いたように
小さく息を呑んだ。
なぜ、俺の名前を…?と、言わんばかりの顔だ。
「俺、ゴリーです!ゴリー!!
オーガの魔法で女に変えられたんです!」
俺がそう言うと、アサギは、ぐっ、と眉間にシワを寄せた。
「君も被害に遭ったのか。
よし、俺の魔法ですぐに元に戻してやる。」
俺は、その言葉に、はっ、とした。
そうだ!
アサギさんの得意とする魔法は、すべての魔力を消し去る“解法魔法”。
その力で、この町の治安を保っているんだ。
これで、元の姿に戻れる!
アサギさんは所在地が不明だし、オーガを見つけない限りは、この魔法は解けないと思い込んでいたが
偶然ここで会えるなんて、運がいい!
俺は、飛び跳ねて喜んだあと、アサギに向かって言った。
「実は、フィオネちゃんがオーガにさらわれて、ゼロが行方を追ってるんです。
あいつを助けてやってくれませんか!」