ゼロの相棒《番外編》
「!」
ゼロが、驚いたように目を見開いた。
そして、数秒後
私の体は、ゼロの腕の中で完全に色を取り戻した。
「フィオネ………。」
ゼロが、かすれた声で呟いた。
私はゼロの顔を見上げる。
「ゼロ……ゼロ……!」
私はゼロの名前を何度も呼ぶ。
「私、ちゃんと見えてる?消えてない?
私の声、届いてる?」
私がそう言った瞬間、ゼロが、ぎゅっ、と
私を抱きしめた。
小さな少年の体から、温かい体温を感じる。
「…見えるよ。……ごめん。
一人にして、ごめんな。」
私は、ぎゅっ、とゼロを抱きしめ返す。
すると、ゼロが小さな声で呟いた。
「フィオネ…。………俺の相棒になる条件、覚えてるか…?」
相棒になる……条件…。
それは、出会った頃に言われたものではないことを
私はわかっていた。
「……ゼロから……絶対離れないこと…」