ゼロの相棒《番外編》
そして、はじまりの地へ…
****
「…まさか、一発殴って気絶させるとはな。
魔法使用の許可が出たのに、なんで使わなかったんだよ?」
事件解決後、私とゼロは店の外に出た。
男に戻ったゴリーが、私たちと合流し、
事の結末を聞いて、ゼロにそう尋ねる。
「あんな低級、魔法を使うまでもねぇよ。
この姿の俺なら、素手でも倒せるってことを証明しようと思ってな。」
いつものポーカーフェイスでそう答えたゼロに、ゴリーは「度胸があるというか、無謀というか…。」と言って目を細めた。
私は、ゼロに向かって言う。
「ゼロ、怪我とかしてない?」
その言葉にゼロは、ふっ、と笑って答えた。
「…俺はかすり傷だよ。
フィオネこそ、怪我ないか?俺と離れた後、オーガの野郎に何もされなかっただろうな?」
私は、ゼロを見つめて、「大丈夫。」と
返事をする。