ゼロの相棒《番外編》






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《ホノside》





アサギ様の屋敷の中の、一番奥の部屋。



暗闇の中で、私は丸くなりながら辺りを見回す。






「……みゃぁ………」





小さく声を出してみても、聞こえるのは人間の言葉ではなく、猫の弱々しい鳴き声だ。








……どうしてこんなことになってしまったんだろう。








私がアサギ様からオーガの魔法のことを聞いた時



もし、私がオーガの魔法をかけられたら、どんな姿になるのだろうと考えた。









それは、すぐに予想がついた。









………必ず、“猫”の姿になるだろう、と





そう思った。







なぜかって?





そんなの決まってる。






アサギ様が、猫嫌いだからだ。






私は、心から尊敬し、忠誠を誓っているアサギ様から、拒絶されることを、何よりも恐れていた。







案の定、姿を変えられた私を見た瞬間、アサギ様の瞳は、まるで人殺しの目のように、冷たく、鈍く光って私をとらえた。





そして、最も聞きたくなかった言葉を私に言い放った。





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