ゼロの相棒《番外編》







“……近くになんて、死んでも近寄れない。



…逆に、近寄ったら俺が死ぬ。”







アサギ様の過去は、知っていたし、猫に対するこういう考え方も、そうなるのは当たり前だとわかっていたつもりだった。






わかって………いたけど…。






………。






私は、ふぅ、とため息をつく。





…もう、ずっとこのまま元に戻れないのだろうか。





魔法を解いてもらうにしても、アサギ様は私には“近づけない”。





このまま、解いてもらえなかったら





私はどうなる?





アサギ様に嫌われたまま。


猫の姿のままで、一生を終えるのか?






………それは………嫌だな………。





嫌だな…嫌だな…。






アサギ様と、もう話をすることも、近くに寄ることも出来ないなんて



そんなの嫌だ………。






やだ…………。





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