ゼロの相棒《番外編》
その時、静かに部屋の襖が開いた。
真っ暗だった部屋に、一筋の光が差し込む。
ギシ、と床が小さく鳴った。
「……ホノ…いるんだろう?」
聞き慣れた低い、優しい声が部屋に響いた。
私は、開いた襖の向こうに立っている人物を見る。
そこに立っていたのは、アサギだった。
……アサギ様が私を探している…。
白い猫が私だとゴリーから聞いたのだろう。
アサギは、白猫を見つけると、少し息を止めて、そしてゆっくりと私の方に歩み寄る。
「……すまない、ホノ…。
さっきは、拒絶するようなことを言って、お前を傷つけた。」
包み込むような優しい声が、私に降り注ぐ。
アサギは、猫の頭に、そおっ、と手を近づけた。
そして、彼の長い指が、猫の頭を撫でた。
!
アサギ様………?
なんで……?
猫のこと、嫌いなんじゃなかったの………?