ゼロの相棒《番外編》
そこには、燃えるような赤と、橙の翼を持つ、金色の瞳をした大きな“鳥”がいた。
澄んだ、鋭い瞳が私たちを捉える。
「…アサギさん…これは……?」
私が尋ねると、アサギは、ふっ、と笑って答えた。
「“不死鳥”だよ。
さ、こいつに乗って、目的地まで運んでもらえ。」
“不死鳥”……!
本の中でしか見たことがなかった生物に、私は目を輝かせた。
神々しいオーラを放つ不死鳥は、ゆっくりと立ち上がり、アサギの方へと近寄った。
アサギは不死鳥を軽く撫で、そして呟く。
「こいつらを旅の目的地まで運んでくれるか?」
不死鳥は、アサギの声に、小さく喉を鳴らして答える。
……こんな魔獣を手なずけているなんて、アサギさんってやっぱりすごい魔法使いなんだ…!
すると、アサギは、優しく微笑んで、不死鳥の真横に異空間を出現させた。