ゼロの相棒《番外編》






そこには、燃えるような赤と、橙の翼を持つ、金色の瞳をした大きな“鳥”がいた。





澄んだ、鋭い瞳が私たちを捉える。






「…アサギさん…これは……?」






私が尋ねると、アサギは、ふっ、と笑って答えた。






「“不死鳥”だよ。


さ、こいつに乗って、目的地まで運んでもらえ。」






“不死鳥”……!





本の中でしか見たことがなかった生物に、私は目を輝かせた。





神々しいオーラを放つ不死鳥は、ゆっくりと立ち上がり、アサギの方へと近寄った。






アサギは不死鳥を軽く撫で、そして呟く。





「こいつらを旅の目的地まで運んでくれるか?」






不死鳥は、アサギの声に、小さく喉を鳴らして答える。





……こんな魔獣を手なずけているなんて、アサギさんってやっぱりすごい魔法使いなんだ…!





すると、アサギは、優しく微笑んで、不死鳥の真横に異空間を出現させた。





< 336 / 357 >

この作品をシェア

pagetop