ゼロの相棒《番外編》
「この先はこの町の上空に繋がっている。
ゼロ、本当に助かった。……また二人で顔出せよ。今度は酒が飲める年になったら来いな。」
ゼロはアサギの言葉に頷いて私の手を取る。
「行こう、フィオネ。
……ありがとう、アサギ。ホノも世話になった。じゃあ、またな。」
ホノは小さく「あぁ。またな。」と言って、目を細めて微笑んだ。
すると、ゼロは慣れたように不死鳥の背中に乗る。
……この鳥に乗って、空を飛んでいくの…?
私は、少し躊躇して、ゼロを見上げた。
すると、ゼロは優しく私に手を伸ばして
「怖がらなくていい。…ほら、来いよ。」
と、私を軽々と抱き上げて、自分の前に乗せた。
とくん、と胸が鳴る。
「じゃあ、出発だ。………俺たちの“はじまりの地”へ。」
ゼロがそう言うと、不死鳥はゆっくりと翼を広げ、異空間に向けて、飛び立ったのだった。