ゼロの相棒《番外編》





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「実は、俺の親父が、生まれたばかりの俺をグランの家に連れて行く時に


この不死鳥をアサギから借りて、乗ったらしいんだ。」





華の町を出て、上空を西へと飛んでいると、ゼロが私に向かってぽつり、とそう言った。






…ゼロのお父さんが……?





ゼロは、どこか遠くを見るように、フロネシアの土地を眺める。




ゼロのお父さんは、ダリシーンの部下の魔法使い達に追われて


逃隠れながら、命がけでゼロをグランの元に預けたって聞いていた。





確かに、この不死鳥なら、魔法使い達の追っ手を振り切って逃げることも可能だ。






「俺……この不死鳥に乗るのは二回目なんだよな。覚えてねぇけど。」






私は、その言葉を聞いて、少し涙が出そうになった。





もし、ゼロのお父さんが逃げている途中でダリシーンに捕まっていたら、私はゼロとは出会えなかった。





十八年前、この不死鳥の背中に、確かにゼロのお父さんは乗っていたんだ。





私は、優しく不死鳥の毛を撫でた。





すると、ゼロはすっかり暗くなった空を見上げながら、前方を指差して言った。





「…ほら、フィオネ。見えてきたぞ。


俺たちの“目的地”が。」





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