ゼロの相棒《番外編》
その言葉にジンさんが、ぴくり、と反応した。
“弱点”だって?
そんなものがあったのか。
初耳だ。……ちょっと気になる。
すると、炎がふっ、と消えて
そこに小さな光る物体が現れた。
「…なんだ?」
俺がその物体を手に取ると、それは小さな赤い薔薇の形をしたルビーが光る、イバラをかたどった指輪だった。
「!」
それを見た瞬間、ジンさんの顔が変わった。
明らかに、さっきまでと違う。
その瞳には、怒りの色が宿っていた。
ジンさんは、俺の手から指輪を取ると、
それを、ぐっ、と握りしめた。
「………あの野郎……。」
ぞくっ!
俺は体が動かなかった。
ジンさんの、聞いたこともないような低い声に、心の底から恐怖を感じた。
「…こんなことになると思ったから、魔具ショップには寄りつかないようにしてたのにな……。
くそ……甘かったか。」