ゼロの相棒《番外編》
「よくぞ聞いてくれたね!
あれは…俺が十歳ぐらいのガキの頃だった。
ガラの悪い魔族狩りのチンピラに絡まれていた時、ゼロの兄貴が、颯爽と俺を助けてくれたんだよ!
大人相手に魔法を使って、一発で倒してたんだ!」
あの時の兄貴はカッコよかったなぁ〜!
一つしか年齢は違わないけど、
ミョーに大人っぽくて
しかもケンカ強いし。
「その時から、俺はゼロさんのことを兄貴と慕って、魔法を教えてもらったり、話を聞いてもらったり……
ゼロさんの武勇伝はまだまだあるんだけど……」
「あ、長くなりそうだから今度でいいわ」
そんな一刀両断しなくても。
あぁ。
でも、ゼロさんのカッコよさを一番わかっているのは、ラグナなのかもしれないな。
ラグナは昔、ゼロさんに告白して、フラれてしまった、と聞いた。
……ゼロさん、もったいないことしたな。
まぁ、ゼロさんがフってくれたおかげで、ラグナは今、恋人が居ないんだけどさ。