ゼロの相棒《番外編》
いや。
違った。
俺の最大の“ライバル”が、今、この建物の二階に潜伏している。
ジンさんは、ゼロの兄貴に負けないぐらいお顔が綺麗だ。
優しくて、面倒見が良くて……少し影があって何を考えてるかわからないとこなんかも、女にとっては魅力なんだろうな
…ちっ。
だから町の女たちがあんなに騒いでたのか
俺は特技とかも特にないし、魔法もそこそこ使えるけど、ジンさん程ではない。
顔も………まぁ、いわゆる普通。
ん?
俺、ジンさんに勝ってるとこ、一つもなくね?
いやいや、ラグナへの愛だけは負けてない
そこは断言できる。
………。
でも、実際、ジンさんがラグナのことを好きだって言ってるとこ
聞いたことないんだよな。
俺が勝手に“ライバル視”してるだけで。
いや、でも“幼なじみ”だぞ?
ライバル要素はありまくりだろ。
ラグナとも子供の時からの思い出が腐るほどあると思うし……。
考えたくねぇ。