ゼロの相棒《番外編》
初恋は実らない
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「…う………。」
その声に、俺はバッ、とベッドに寝ているジンさんの顔を覗き込む。
彼は、ゆっくりと目を開けた。
「ジンさん!大丈夫ですか……?」
俺はまだ意識のはっきりしていないジンさんに語りかける。
「…ここは……?」
「魔具ショップの二階の部屋です!
…あれから、ラグナの瞬間移動でここに戻ってきたんですよ。
もうあの事件は昨日のことです。」
俺たちは、屋敷を出た後、大怪我を負ったジンさんをこのベッドに寝かせて、
ラグナの治癒魔法で一晩中看護した。
ひどい傷だったが、無事に魔法が効き、
ジンさんの命の危険は無くなった。
……本当に、死んでしまうのかと思った。
いくらライバルだからって、ジンさんは俺の尊敬する魔法使いの一人だ。
決して、死んで欲しくはない。
だんだん、意識がはっきりしてきたジンさんは、俺の方を向いて尋ねる。