ゼロの相棒《番外編》


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《ラグナside》


買い出しを終え、魔具ショップへと戻ると、そこにジェフの姿は無かった。



……どこに行ったのかしら…。


ジンはまだ部屋で寝ているみたいだけど。



………。


ジンと“二人っきり”か……。



なんとなく緊張してきた。


柄でもない。幼なじみ相手に緊張するなんて。


でも、彼は、もう私にとって幼なじみの域を超えていた。


それは、いつからだったんだろう。


私は、ゼロに恋をしていたはずだ。

それが、年月が過ぎて気づいてみれば
アイツがいつの間にか心の深いところに
居座っていた。


私は、キィ…、とジンの寝ている部屋の扉を開けて、中に入る。


ジンは、すーすー…と寝息を立てて眠っていた。



………本当、無事でよかった。



屋敷で、ジンが血まみれで倒れた時は、
本当に死んでしまうのかと思った。


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