ゼロの相棒《番外編》
私は、もう大事な人が目の前から消えるのは見たくないのよ。
ゼロだって、私には挨拶もなく、勝手に姿を消したんだから。
あの時は…本当に私も壊れてしまいそうだった。
……ジンがいなかったら…きっと壊れていただろう。
私は、じっ、とジンの顔を見つめた。
すると、ジンがぴくり、と動いて
ゆっくりと目を開いた。
!
私は、咄嗟に視線を逸らす。
「……ラグナ……?」
彼の低い声が耳に届く。
名前を呼ばれて、とくん、と胸が小さく鳴った。
「……大丈夫?ジン。
本当に…無茶するんだから。
私とジェフがいなかったら、アンタ死んでたかもしれないのよ?」
私の言葉に、ジンは「ごめん…。」と
苦笑しながら答えた。
そして、むくり…と体を起こす。
「……“あの時”と、正反対になったな。」
彼が、小さくそう言った。
「…“あの時”?」