ゼロの相棒《番外編》
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それから約三分。
レオとのしりとりは続く。
「“いちご”」
「“ゴマ”」
私が言い、レオが答える。
「“マット”」
「“トナカイ”」
これ、いつまで続くのかしら。
……まさか、本当に決着がつくまでやるの?
「うーん…。“いえ”」
私がそう言うとレオは、ピタリ、と止まる。
え?もしかして、降参?
“え”なんていっぱいあるのに。
ふいに心臓が鳴り始める。
“レオ一日独占権”かぁ………。
なんか、ちょっと嬉しいかも……。
すると、少しの沈黙の後、レオは真っ直ぐ私の目を見て言った。
「“えいが………いかない”?」
「………っほぇ?」
つい、変な声が出てしまった。
え?
え……ええ………え??
しりとり…………じゃ、なくて…
「それって、お誘い?」
「うん。今週の土曜は俺、公休なんだよ。」