ゼロの相棒《番外編》
「“い…一時。中央図書館”」
「!」
レオは、少し驚いた顔をして私を見る。
「“ん”ついちゃった。私の負けね!
いいわ、私の一日、レオにあげる。」
私の言葉に、レオは少し固まって、
そして、太陽のような笑顔で笑った。
「ん。一時、中央図書館で待ち合わせな!」
レオは、すっ、と立ち上がる。
「じゃあ、そろそろ仕事に戻るよ。」
え?仕事に戻る?
「夕方からじゃなかったの?」
「ベルを誘いたかったから、パトロール抜けてきた。」
え!サボりだったの?!
…もう。
相変わらず問題児なんだから…。
「ブラッド隊長がいないっていっても、ずっとサボるわけにはいかないだろ?
今日の目的は果たせたから。
じゃあな、ベル。」
レオは、そう言って軽く手を振ると、
カラン♪、と店の扉を開けて出て行ってしまった。
私は、その後ろ姿を店の中から見送る。
……土曜日か…。
私は、まだ自分の胸がドキドキと鳴っているのを感じていた。