恋愛経験値0のシンデレラ




『ううっ…。』


そう、お母さんは泣いていた。


でもすぐに涙を拭い


お父さんの仏壇に話しかけ始めた。


『ヒロさん、ただいま…。
私ね…がんばってるよ。
仕事がつらくても星香の寝顔や
いってきますって言いながら笑う顔や
私と少しでも長くいるために
朝早くに起きたりしてるのを見るとね
いつまでもへこんでちゃダメだなって
思うしあの子がいるから
今の私があるの。
あなたと一緒に
星香の成長を見たかったな…。
あなたを失った悲しみは
消えることはないわ。
でも、だからって私は
星香を捨てたりはしないから。
あなたの分まであの子を
一人前に育てるから。
….…だ、だから…うっ…。
私達のこと…み、まも…っててね。』


この光景を見た私は


静かに自分の部屋へと戻った。




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