恋愛経験値0のシンデレラ







中庭に着くと雪美ちゃんは


立ち止まり振り返った。


「陽依ちゃん、ごめんなさい。」


深く、深く頭を下げていた。


「ひどいこと言って傷つけた。
本当にごめんなさい。」


泣きながらだけど


必死に謝る雪美ちゃん。


「私、陽依ちゃんが羨ましかった……。
まだ出会って日が浅いのに
リアムに好かれて………。
昨日ね、陽依ちゃんがリアムに
酷いことされてる時、
正直傷つけばいいって思った。
………だけど……。
陽依ちゃんが泣きながら抵抗してるのを
見た瞬間に思い出したの。
いつも笑顔で話しかけてくれたり
他の人みたいに一歩距離を置いて
接したりなんてしないし
モデルの私じゃなくて
普通の女の子として扱ってくれた。
それを思い出した途端に
一気に罪悪感でいっぱいになった。」




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