恋愛経験値0のシンデレラ
*
中庭に着くと雪美ちゃんは
立ち止まり振り返った。
「陽依ちゃん、ごめんなさい。」
深く、深く頭を下げていた。
「ひどいこと言って傷つけた。
本当にごめんなさい。」
泣きながらだけど
必死に謝る雪美ちゃん。
「私、陽依ちゃんが羨ましかった……。
まだ出会って日が浅いのに
リアムに好かれて………。
昨日ね、陽依ちゃんがリアムに
酷いことされてる時、
正直傷つけばいいって思った。
………だけど……。
陽依ちゃんが泣きながら抵抗してるのを
見た瞬間に思い出したの。
いつも笑顔で話しかけてくれたり
他の人みたいに一歩距離を置いて
接したりなんてしないし
モデルの私じゃなくて
普通の女の子として扱ってくれた。
それを思い出した途端に
一気に罪悪感でいっぱいになった。」