恋愛経験値0のシンデレラ
*
教室に戻ると雪美ちゃんの荷物や
リアムが使っていた机と椅子は
全て無くなっていた。
やっぱり、本当に転校するんだ………。
「陽依………。
大丈夫?」
洸汰の優しい声で
こらえていた涙が出てきそうになり
グッとこらえた。
「大丈夫だよ。」
大丈夫。
この一言を口にすることで
心を落ち着かせようとした。
だけど………。
やっぱり悲しいことは悲しいから
我慢なんてできないや………。