お嬢様の秘密III
「で、私の家に逃げたわけね?」


持っていた合鍵で裏庭からこっそり入って、ユリの部屋に駆け込んだ。


突然の訪問でも驚いた様子を見せずに部屋に入れてくれた。


………警戒心ねぇよな、昔っから。


「運がいいよね、玲央。今日はお父様たちがいなくて私だけだから、からかわれずに済んだね。」


「ああ。大体兄貴たちが悪いんだぞ?いきなり………。」


ユリの部屋のソファーを占領して愚痴る俺を横目に紅茶を用意してくれた。


「顔が赤いってことは………見たんだね?」


「………は?何を!?」


腰に手を当ててニヤニヤしながら俺に顔を近づけてきた。


……今日のユリの服、露出しすぎてねぇか……?


志穂と真理亜様を見たせいで、ユリが余計色っぽく見える。


「………お姉様のお胸のサイズ、1年前はFだって。」


耳元でそう呟かれた俺は一気に顔が赤くなってしまった。







「ふふっ………驚きすぎだって!!分かりやすくて面白い。」


「お、お前な………!!性格悪いぞ!」


腹を抱えて大笑いしているユリを見ていると、ますます俺のプライドが音を立てて崩れていくような気がした。


「失礼ね、玲央が欲求不満なのが悪いんでしょ!?」


「お前、いい加減にしろ。」


俺はとっさにユリの右腕をつかんで、ソファーに押し倒してしまった。






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