お嬢様の秘密III
「でもこんなに大笑いしたの久しぶり!昔はよくこんな感じで喧嘩して夏菜に止められていたよね?」
「………確かにな、懐かしい。ほんの少し前のことなのにな。」
遠くを見るような目になって昔を懐かしんでいた。
………そんなことより。
まさかユリはこの体勢………!
………ここまで鈍いのか?
「急に押しだまっちゃってどうしたの?顔も赤いけど熱?」
空いていた左手で俺の額に触れてきた。
ひんやりとした優しい感触が当たる。
「ん………大丈夫みたいだね?」
「……鈍いぞ、ユリ。」
「え?」
きょとんとしているうちに、一気に距離を詰めた。
「この体勢で気づくだろ、真っ先に。」
「この………あっ。」
やっと気づいたのか………。
世話がかかるお嬢様だな………。
やっと起き上がったと思ったら俺の背中に腕を回してきた。
「………ねえ、玲央。遠慮しなくていいからね。」
………誰に、何を?
聞こうと思ったけどすぐに俺から離れてしまった。
「………今から秋本家に行くの。付いてきてくれる?」
「かしこまりました、お嬢様。では、お支度いたしましょう。」
一瞬で令嬢の顔になって、ウォークインクローゼットの中へ消えていった。
-玲央side end-
「………確かにな、懐かしい。ほんの少し前のことなのにな。」
遠くを見るような目になって昔を懐かしんでいた。
………そんなことより。
まさかユリはこの体勢………!
………ここまで鈍いのか?
「急に押しだまっちゃってどうしたの?顔も赤いけど熱?」
空いていた左手で俺の額に触れてきた。
ひんやりとした優しい感触が当たる。
「ん………大丈夫みたいだね?」
「……鈍いぞ、ユリ。」
「え?」
きょとんとしているうちに、一気に距離を詰めた。
「この体勢で気づくだろ、真っ先に。」
「この………あっ。」
やっと気づいたのか………。
世話がかかるお嬢様だな………。
やっと起き上がったと思ったら俺の背中に腕を回してきた。
「………ねえ、玲央。遠慮しなくていいからね。」
………誰に、何を?
聞こうと思ったけどすぐに俺から離れてしまった。
「………今から秋本家に行くの。付いてきてくれる?」
「かしこまりました、お嬢様。では、お支度いたしましょう。」
一瞬で令嬢の顔になって、ウォークインクローゼットの中へ消えていった。
-玲央side end-