お嬢様の秘密III
「はぁ………疲れた。もう何なのよ、あのエロ社長!気持ち悪いわ。」


お兄様が取ってくれたスイートルームのベッドに飛び込んだ。


ふかふかして気持ちいい………。


「お疲れ、夏菜。ミッション達成じゃないか、相手を威嚇して礼儀のない相手を怯ませる。………怖かったぞ?」


疲れ切っている私を見ながらクスクス笑っている玲央。


さっきの無表情な顔とは大違いだ。


親しい人には容赦なく毒を吐く。


「夏菜、お腹空いてないか?パスタでも頼むか?」


さすが………察しがいい。


「実はドレスの体型とか口臭とか気になって食べれなかったんだよね………。頼んでほしい。」


「了解。」


いいタイミングでグーッとお腹が鳴った。


よく我慢できたね、私。





数分でルームサービスが来た。


冷菜パスタとケーキを数種類頼んでくれたみたい。


「本当はステーキとかの方が良かったんだろうけど、匂いつくしもう夜遅いからお腹に悪いと思ってな。」


そう言いながらテキパキと取り分けてくれる。


本当に執事なんだな………。


「………ありがとう、玲央。」


直接言うのは恥ずかしくて、そっと床に落とした。


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