お嬢様の秘密III
「ユリにはカウントダウンパーティーの前に話したし、玲央は小さい頃から耳にタコの話だ。」
そう会長様は話し始めた。
「いや、誠一郎。ここは当主である私が話すからしばらく黙っててくれないか?」
「そうだな。じゃあ私は外に出てるから終わったらいつもの合図だ。」
会長様、部屋から出てしまった………。
「すまんな、浅井さん。ここは私らの家の問題でもあるからな。」
完全にご当主モードに入った広大さん。
「浅井さんなら分かってくれると信じているがな………。」
「ねえ、夏菜。大丈夫?さっきからぼーっとしてるよ?」
「え?あ……ごめんね。ちょっと頭が痛くて……。」
「風邪のひきはじめかも。後でいつもみたいに私に風邪移していいからね。」
そっと背中を撫でてくれるけど、寒気が酷くなる。
本当に風邪ひいちゃったのかな………。
あの資料室を出た後の記憶が曖昧になっている。
私は今リムジンで帰るところらしい。
「うん。じゃあ後で私の部屋に来てね、ユリ。」
ユリがこの話を聞かされているなら………。
私に向けてくれているこの笑顔の下で何を考えているの………?
ギュッとユリの手を握った私に何も聞かず、握り返してくれた。
-夏菜side end-
そう会長様は話し始めた。
「いや、誠一郎。ここは当主である私が話すからしばらく黙っててくれないか?」
「そうだな。じゃあ私は外に出てるから終わったらいつもの合図だ。」
会長様、部屋から出てしまった………。
「すまんな、浅井さん。ここは私らの家の問題でもあるからな。」
完全にご当主モードに入った広大さん。
「浅井さんなら分かってくれると信じているがな………。」
「ねえ、夏菜。大丈夫?さっきからぼーっとしてるよ?」
「え?あ……ごめんね。ちょっと頭が痛くて……。」
「風邪のひきはじめかも。後でいつもみたいに私に風邪移していいからね。」
そっと背中を撫でてくれるけど、寒気が酷くなる。
本当に風邪ひいちゃったのかな………。
あの資料室を出た後の記憶が曖昧になっている。
私は今リムジンで帰るところらしい。
「うん。じゃあ後で私の部屋に来てね、ユリ。」
ユリがこの話を聞かされているなら………。
私に向けてくれているこの笑顔の下で何を考えているの………?
ギュッとユリの手を握った私に何も聞かず、握り返してくれた。
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