お嬢様の秘密III
よかったー!!


お姉様も喜んでくれたし一仕事終了。


あとは明日、表向きのパーティーを主催するのみ。


ただ目が回る忙しさのせいで私は部屋に帰ったとたんソファーにゴロンと横になってしまった。


「ユリ様、ありがとうございました。お嬢様もお喜びでしたよ。」


紅茶をいれながら理央は嬉しそうに言った。


頃合いをみてその場を玲央に任せ、そっと会場を抜け出してきた私と理央。


この部屋で理央が紅茶を淹れているところをみるのは久しぶりだな。


「お姉様に渡したあの箱には香水とヨーロッパ一周分の旅行券が入っているの。夏休みにでも2人で行ってほしいな。」


「なんと、ありがとうございます。...にしてもユリ様、誕生日プレゼントずいぶん奮発なさったのでは?」


図星、確かにね。


「今までの私だったらそう。だけどお祖父様のお仕事を手伝うようになって少し金銭感覚を変えていかなくちゃと思っていて。これでも安いって思うかもしれないけどね。」


「いいえ、大丈夫でございますよ。」


プレゼントは金額より気持ちだと思っているから伝わってくれたらいいな。


はあー今日の紅茶もおいしい。


一緒に差し入れてくれたパンケーキは、お姉様つきシェフの得意料理なんだそう。


すごくおいしい。
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