お嬢様の秘密III
-ユリside-
お父様に連れて行かれたのはお祖母様のお部屋。
なんだけど。
「ニャア」
部屋に入るなり真っ白で毛のふさふさしたネコが私にすり寄ってきた。
「こら、ナナ。ごめんユリ、動物平気?」
お父様がすかさず捕まえた。
「大丈夫よ、お父様。でも玲央が苦手だからやめてあげて。」
パッと後ろを振り返ると案の定顔を強張らせた玲央がいた。
無表情だから分かりにくいけど。
「なんで俺が苦手だって知ってるんだよ?」
「知ってるわよ。私見ちゃったもの、昔私の家にあったリアルな猫のぬいぐるみに本気でビビってるの。」
「あれか………。」
玲央の数少ない弱みだから誰も知らないだろうな。
「安心して。夏菜も知らないと思うから。で、お父様はその猫をずっと抱いていてくれる?玲央それでいい?」
「申し訳ありません、旦那様。」
「気なんか使わないでよ。誰だって苦手なものはあるんだから。じゃあこの猫をカゴに入れている間にお茶を用意して。」
「かしこまりました。」
ついさっきまで猫に怖がっていたのが嘘のようにテキパキと用意してくれた。
さすが、玲央。
お父様に連れて行かれたのはお祖母様のお部屋。
なんだけど。
「ニャア」
部屋に入るなり真っ白で毛のふさふさしたネコが私にすり寄ってきた。
「こら、ナナ。ごめんユリ、動物平気?」
お父様がすかさず捕まえた。
「大丈夫よ、お父様。でも玲央が苦手だからやめてあげて。」
パッと後ろを振り返ると案の定顔を強張らせた玲央がいた。
無表情だから分かりにくいけど。
「なんで俺が苦手だって知ってるんだよ?」
「知ってるわよ。私見ちゃったもの、昔私の家にあったリアルな猫のぬいぐるみに本気でビビってるの。」
「あれか………。」
玲央の数少ない弱みだから誰も知らないだろうな。
「安心して。夏菜も知らないと思うから。で、お父様はその猫をずっと抱いていてくれる?玲央それでいい?」
「申し訳ありません、旦那様。」
「気なんか使わないでよ。誰だって苦手なものはあるんだから。じゃあこの猫をカゴに入れている間にお茶を用意して。」
「かしこまりました。」
ついさっきまで猫に怖がっていたのが嘘のようにテキパキと用意してくれた。
さすが、玲央。