お嬢様の秘密III
「さて、ユリ様。本題に入りましょうか。」


え?


「本題って明日のことかしら?当日の確認は玲央の方が把握していると思うけど。」


「いえ、明日のことではございません。.....葵様のことですよ。」


.......葵。


その一言で一瞬緊迫感が流れた。


「まだ私、連絡取れなくて....。」


「玲央から葵様と連絡が取れないと相談を受け、高澤家に人を遣ったところ、どうやらかなり仕事に追われているもようです。...それも異常なほど。」


「今、高澤家の執事は吉崎さん引退した後誰が担っているの?」


「それが北原、という若手で葵様の秘書を務めていらっしゃいます。高澤弥生様の執事の息子とのことです。」


「そうなのね...。」


「執事が変わったから連絡が取れなくなったということではないと思いますよ、ユリ様。」


どうして?


主人のスケジュール管理や電話などの連絡も仕事のうちなのに?






「深いことは分かりませんでしたが、どうやら.....。





政略結婚を狙い、水面下で婚約を締結することになりそうだと.....。」




こん....やく.....。





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