お嬢様の秘密III
「………高澤家主催のパーティーに、アイツが来るだと?」
招待者リストを何回も見直したが、 間違いない。
「招待状はすでに弥生様の名で出されています。」
………それがどう言う意味なのか。
「ババアが出したものを俺が変更することは不可能。………俺が苛立つのを知っていて先に出したのか。」
「高澤家の将来を考えてのことなのでは?」
「…………俺はアイツより考えている!親父が守って来たものをババアに奪わせねえぞ俺は。」
あまり知らせていないことだが、俺の父親は初期癌で倒れている。
俺が中学生の時なのだが、当初過労で倒れ、改めて調べてもらうと癌であることがわかった。
今は第一線から離れ、会長職につき、社長に妻である弥生が就いた。
弥生は俺の母ではない。
それが一番の原因で俺と弥生は昔からかなり仲が悪い。
「葵様はまだ学生でいらっしゃいますから、完全に全グループを掌握するのはしばらく時間がかかりますね。」
「ああ。それを分かっていてやるんだアイツは。かなり気分悪い。」
苛立ってはいるが書類はまだまだ大量にある。
「北原、一度パーティーの件は隅に置いて他の書類を片付けるから、手伝えよ。」
「かしこまりました、葵様。」
株主総会、役員総会……。
年度末の重要な会議を片付けているうちに、パーティーの件はすっかり頭から消えていた。
招待者リストを何回も見直したが、 間違いない。
「招待状はすでに弥生様の名で出されています。」
………それがどう言う意味なのか。
「ババアが出したものを俺が変更することは不可能。………俺が苛立つのを知っていて先に出したのか。」
「高澤家の将来を考えてのことなのでは?」
「…………俺はアイツより考えている!親父が守って来たものをババアに奪わせねえぞ俺は。」
あまり知らせていないことだが、俺の父親は初期癌で倒れている。
俺が中学生の時なのだが、当初過労で倒れ、改めて調べてもらうと癌であることがわかった。
今は第一線から離れ、会長職につき、社長に妻である弥生が就いた。
弥生は俺の母ではない。
それが一番の原因で俺と弥生は昔からかなり仲が悪い。
「葵様はまだ学生でいらっしゃいますから、完全に全グループを掌握するのはしばらく時間がかかりますね。」
「ああ。それを分かっていてやるんだアイツは。かなり気分悪い。」
苛立ってはいるが書類はまだまだ大量にある。
「北原、一度パーティーの件は隅に置いて他の書類を片付けるから、手伝えよ。」
「かしこまりました、葵様。」
株主総会、役員総会……。
年度末の重要な会議を片付けているうちに、パーティーの件はすっかり頭から消えていた。