お嬢様の秘密III
部屋に嫌な空気が流れる。
「………ユリ、聞かなかったことに出来るか?」
必死そうに手を合わせているお父様を見ていたら………。
「………分かったわ。」
「………ありがとな。」
仕方ないように答えてしまったけど、お父様は本当にホッとしたようだった。
私は言いにくそうなことを無理やり言わせるなんてしないよ。
まだ気まずそうにしているお父様を救うように玲央は1つ咳払いをした。
「で、この猫はどこに住まわせているのですか?」
「ああ………この部屋だ。猫用のトイレは別のところにあって自分で行くように躾けた。この猫はどこか賢いところがあるんだ。」
以前私がこの部屋に来た時は、猫はこの部屋に住まわせていなかったけど、廊下から私たちの様子を覗いていたそう。
「………本当に生まれ変わっているのかもしれないな。」
お父様は膝の上のナナをそっと愛おしそうに撫でた。
「お祖母様の写真とかないんですか?見たことないの。」
「ああ。お袋のアルバムとか思い出の品は全部まとめてあると思うよ。」
お父様は私にナナを預けると部屋の引き出しを引っ張り始めた。
「確かここに………。あれ?ない………。」
「お父様、私も手伝うから。」
と、私も立とうとしたけど。
「ユリ、俺に猫を預けさせる気か?座ってろ。」
玲央に両肩を掴まれて必死に頼み込まれたので、おとなしく座っていることにした。
「………ユリ、聞かなかったことに出来るか?」
必死そうに手を合わせているお父様を見ていたら………。
「………分かったわ。」
「………ありがとな。」
仕方ないように答えてしまったけど、お父様は本当にホッとしたようだった。
私は言いにくそうなことを無理やり言わせるなんてしないよ。
まだ気まずそうにしているお父様を救うように玲央は1つ咳払いをした。
「で、この猫はどこに住まわせているのですか?」
「ああ………この部屋だ。猫用のトイレは別のところにあって自分で行くように躾けた。この猫はどこか賢いところがあるんだ。」
以前私がこの部屋に来た時は、猫はこの部屋に住まわせていなかったけど、廊下から私たちの様子を覗いていたそう。
「………本当に生まれ変わっているのかもしれないな。」
お父様は膝の上のナナをそっと愛おしそうに撫でた。
「お祖母様の写真とかないんですか?見たことないの。」
「ああ。お袋のアルバムとか思い出の品は全部まとめてあると思うよ。」
お父様は私にナナを預けると部屋の引き出しを引っ張り始めた。
「確かここに………。あれ?ない………。」
「お父様、私も手伝うから。」
と、私も立とうとしたけど。
「ユリ、俺に猫を預けさせる気か?座ってろ。」
玲央に両肩を掴まれて必死に頼み込まれたので、おとなしく座っていることにした。