また、私は裏切られる
「ききの、バカ…」

え?何で?バカ?何かした?

戸惑っていると、また力が強くなった

「休み時間は話すって約束した。何で来ないの?他の男と話して楽しかった?俺は寂しくて辛かったよ?ききは?」

そっか。寂しくて辛かったんだ

ゆうとに寂しい思いをさせてしまった

腕をまわして力を込めた

「ごめんね?ゆうとに、ゆうとに寂しい思いをさせてしまったね。私も寂しかったよ?だからごめんね?」

ゆうとは少し力を緩めるとまた、顔を近づけてきた

私もソッと目を閉じた

唇が重なって涙の味がした

ゆうと、泣いてるの?

唇が離れて目を開けた

ゆうとは顔を隠してた

「ゆうと?何で泣いてるの?」

ゆうとは黙ってどっかに行ってしまった
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