また、私は裏切られる
「明日帰ってもいいから理由聞かせて?」

私は手を振り払って逃げた

でも運動神経バツグンの一郎君にはかなわなくてすぐに腕をつかまれた

「何で逃げんの?」

「離して?」

「ヤダ」

え、ヤダって

離してよぉ

むぅ。黙っとこうっと

「何で黙ってんの?話さなきゃ離さないよ?」

いいもん。絶対話さない

しばらくして

「あー、ききちゃんだ~。何してるの?」

あ、りゅう君のお姉さんだ

「お姉さん。助けてください!一郎君が離してくれないんです!」

「え~?一郎君離してやんなよ。嫌がってるよ?」

私を引き寄せてくれた

腕が痛い

はあ、本当に話さないと離さないつもりなんだ
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