“Please don't disappear, love.”
「誰にも言うなよ?…つーか、お前に初めて話したよ…こんな嫌な事…」



ポンポンと頭を軽く叩いて言われた。



先生の知らない過去。



どんな子供時代を過ごしたの?



どんなお母さん?



……聞きたい事は山ほどあるけど、聞いちゃいけないよね?



先生が私にだけ話してくれただけで十分。



きっと、先生も辛くて、一人で背負っていて、やっと今、吐き出せたんでしょ?



「もっと頼ってね、先生♪」



「……無理…!!」



少し間を置いてから答えた先生と目が合って、二人で笑った。



『そろそろ行こうか…』って、先生が私の手を引いて、再び、手を繋いで歩き出す。



今だけは恋人同士みたい。


ずっと、ずっと、永遠にこの時が続けば良いのに―――……



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