“Please don't disappear, love.”
“Please don't disappear, love.”
お母さんがきちんと伝えてくれたかは、聞いてないから分からない。



今日は先生を嫌いになりたかった日から、一週間後。



いつもなら先生が来る日。



先生に恋をしている自分は、とても輝いて見えた。



会えない日も毎日が楽しくて、一人でも憂鬱な気分にならなかった。



先生と同じ大学に入るって目標もあったから、今まで以上に勉強も頑張っていたし……。



……なのに、今の私は抜け殻みたい。



勉強もする気になれなくて、受験さえもどうでもよくなっていた。



恋に溺れるとは、こういう事なんだと痛感。



――もうすぐ、先生が来る時間。



先生が来るのが待ち遠しくて、いつも二階の自分の部屋の窓から眺めていたっけ……。



シャボン玉を吹いたりして、先生を待っていた。



窓際に寄りかかり、外を眺めた。



あぁ……。



やっぱり、今日は来ないんだね……。



< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop