春の夜
ガチャ―――
ドアの音に振り向くと、ルイさんとこれまた綺麗な男の人。
整った顔に銀髪がよく似合っている。
『調子はどうだ?』
「あ…少し、寒いです…」
『何か温かい食べ物を持ってこさせよう。
食欲はあるか?』
小さく頷くと、微笑む彼。
『俺はハルト。呼び捨てで構わない、ハルと呼んでくれ。…お前の名は?』
「私は、夢花です。」
『ユメカ、か。どこから来た?何故あんなところにいた?』
『ちょっと、ハルト。まだ起きたばかりよ。やめてあげてちょうだい。質問はまた今度、もっと回復するまでお預けよ。』
質問責めのハルトさんに困惑気味の私に、助け船を出してくれたルイさん。
『…悪い。
また来る。今はゆっくり休め。』
そう言い、私の頭を撫でたハルトさんは部屋を出て行った。