ただ、キミのことを好きでいたいだけ。
駿河誠を、投げ飛ばしていた。
ダンっと、駿河が地面に落ちる。
華麗なる一本背負い。
周りも、駿河も、私さえも、呆気にとられている。
1番早く状況を理解したのは、駿河だった。
「いってー………漣って何者?」
とりあえずケガはしてないみたいだ。
「柔道を、やってて……」
そうだったのか、と駿河がつぶやく。
そして、ずいっと私に顔を近づけた。
全てが整った顔に見つめられて、顔が熱くなる。
コイツがイケメンだってことに、私はこのとき気がついた。