ただ、キミのことを好きでいたいだけ。




駿河誠を、投げ飛ばしていた。


ダンっと、駿河が地面に落ちる。




華麗なる一本背負い。



周りも、駿河も、私さえも、呆気にとられている。


1番早く状況を理解したのは、駿河だった。





「いってー………漣って何者?」



とりあえずケガはしてないみたいだ。




「柔道を、やってて……」


そうだったのか、と駿河がつぶやく。


そして、ずいっと私に顔を近づけた。


全てが整った顔に見つめられて、顔が熱くなる。



コイツがイケメンだってことに、私はこのとき気がついた。


< 12 / 112 >

この作品をシェア

pagetop