ただ、キミのことを好きでいたいだけ。



「うぇぇぇ!?」


駿河は呆気にとられた顔でこちらを見ている。


「なに」


「それ、貸してくれないの?」


「貸さない。濡れて帰れ。」



どうせ私なんかに頼らなくったって、傘を貸してくれる女子なんてたくさんいるくせに。


私以外の子なら声かけるだけで喜んで貸すだろう。


なのになんで私が貸さなきゃならないんだ。


ただ、からかってるだけのくせに。


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