ただ、キミのことを好きでいたいだけ。



おかしい。


駿河のこと、なんとも思ってないはずなのに、


なんでこんなに心がかき乱されるんだ。






「……………貸す」


「え?」


「傘、貸す」


今にも消えいりそうな声で、私は言った。


鞄から傘を取り出して、駿河に差し出す。


恥ずかしい。


駿河の顔が見れない。


顔が火照っていくのがわかる。


なにしてんだろ、あたし。


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