ただ、キミのことを好きでいたいだけ。



「ごめん、私お弁当あるから……」


悪いけど受け取れない。


手に持っていたお弁当を見ながら断ると、

駿河はそれをまじまじと見つめた。



「……な、なに?」


「…………それ、漣がつくったの?」


「え、ま、まぁ……」


朝は強いほうだから、私が家族のぶんも
作っている。


といってもそんなに時間はないし、凝って作っているわけでもない。



そんなお弁当を見つめて、駿河は目をキラキラさせている。

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