ただ、キミのことを好きでいたいだけ。
『俺と付き合って』
今でも鮮明に思い出せる。
…あれは、帰り支度をしているときだった。
突然、廊下のほうから
「キャーーー!」
と、女子たちの黄色い声があがった。
何事だと振り向けば、教室のそばに立っていた男と、ばっちり目があった。
ヤツはその瞬間目を見開き、まっすぐに私を見つめた。
え、ななななに!?
熱い視線に耐え切れなくなって、目を逸らそうとしたとき。
ヤツは、ずかずかと教室に入り込み、私のそばまでやってきた。
え、え、なに?