ただ、キミのことを好きでいたいだけ。
聞かなければよかったと、私は持っていたカバンで駿河を叩いた。
「私の技を避けるんだから、
無傷で帰って来ないとダメじゃん……!」
「ははっ、無茶言うなって」
そう言って、駿河が笑った。
その笑顔は、窓からさしこむ光に照らされて、眩しく見えた。
カッコイイと、一瞬思ってしまった。
叩く気力もなくなった。
頬が染まっていくのが自分でもわかる。
私は、どんだけ駿河にドキドキさせられるんだろう。