怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


「柊ちゃん、これってさ」


瑛太がそれだけいうとたった一言


「だな」


これは、伝わったという事か。



「まじか」


「瑛太、笑っていいか?」


「笑うな」


柊哉の笑いは座敷童の美祈だって事じゃなく、瑛太が自分の部下に恋をしたということだ。


しかも30目前の男。


さんざん遊びもしたが恋愛と名のつくものもしてきた事を柊哉はよく知っている。


それなのにこれは恋かと確認するほど知らぬまに恋に堕ちたのだろう。


美祈に対しての瑛太の姿を思い出すと大切にするだろうとしか思えずそれがまた何ともいえずに可笑しかった。



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