怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
スキなんだ。スキみたい
夕食に誘った事を柊哉に話すとそれはまずいだろうと慌てだした。
いや、引っ越さなくていいとフォローをすると言いきる瑛太。
美祈にも一歩を踏み出させたい。
そして美祈も柊哉もお互いに秘密がある。
今夜はここで綺麗に清算しようというわけだ。
平日であることがなおいい。
翌日も社内で顔を合わせるからだ。
避けずにそれを受け止め受け入れ前に進む。
まぁ、驚きは柊哉も変わらねぇだろうな。
瑛太はビールを飲みながら美祈へ帰宅した事をメールした。
初めてお目にかかるからと帰宅して煮物を作るとシャワーを浴びお化粧から着替えまですませて待機していた。
柊哉は届いたカニをせっせと食べやすくカットし
「こっちのはカニすきでいいんだよな」
「おぅ」
お鍋がテーブルに置かれたところで
「呼びに行ってくる」
瑛太はリビングのドアを鼻歌まじりで出ていったが
大丈夫だろうか。
1人残された部屋の中で柊哉は不安な気持ちだ。
芹沢だぞ…
思いつめたら可哀相だ。