怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「瑛太にヒゲ剃ってもらえよ。芹沢が言えばすぐ剃るよ」
「何でですか。もじゃもじゃだけど似合ってますよね」
「お前のためだ」
すごく真剣な柊哉の表情に美祈は少し不安を覚える。
「何か秘密の過去があるとか?」
「俺は忠告したからな」
その後は、もう答えないとばかりに書類を読み始めた柊哉に話しかける事も出来ず頭の中は不安と疑問。
だが柊哉の方は、朝の2人の時間に会話が弾み新しい遊びが始まりそうとほくそ笑む。
勤務時間が始まると内線が鳴り響きキーボードの音がフロア中から聞こえしい一日もまた変わりなく過ぎた。
夢じゃなかったと確信してから報告しようと昨日は報告せず終い。
そしてやっと帰りの電車でマコにメールを打ち始めた。