怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「それでどうやってエレベーターのボタン押した」
「トレイの角」
「ここは」
「おでこ」
「お前、天才だな」
一緒に食べる事が当然のごく当たり前に思えてしまうのは、柊哉も瑛太も昨日と違ってラフな対応。
「芹沢、冷蔵庫から牛乳とって」
「あぁ。はい」
「お前、カレー食う時って何飲む?」
「ビーフカレーなら牛乳。マッサマンはウーロン茶」
「そうだよな。カレーには牛乳だよな」
「ゲッ柊ちゃんと一緒かよ」
美祈が作ったマッサマンカレーはスープ椀に盛られて各自の前に。
「ナンって食べられます?」
「それも作ったの?」
「マッサマンはナンでしょう」
当然食えるとお皿を差し出しスプーンを持って
「いただきます」
口に合うかなと心配している美祈の前で二人の男はマッサマンとナンを堪能中。
この制度は大変重要であるから
特にカレーの日は相談の上決定し遂行すること。
勤務中の課長のからの指示のごとくに柊哉に言い渡され
「了解しました」
「異議なし」
月に1度はカレーの日が決定した。