怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「あいつは、最高の親友だな」
「うん。昔は、私が面倒を見てあげる方だったんだよ」
「プッあれじゃ大変だったろ」
「もう笑っちゃうぐらい大変だったよ。マコとコタちゃんと2人だもん」
冷蔵庫の中へケーキを片づける美祈
今日も小さいラブソファーにドキドキしながら座る瑛太。
コポコポとドリップ中のコーヒーが香り立つ部屋
美祈は今日もソファーの下へ座る。
「お前、いつもそこに座んならソファーいらねぇじゃん」
「そういうわけじゃないけど」
はにかんだ顔で見上げられると瑛太の心臓はドキッ
立ち上がり、コーヒーを手に戻ってくると
「どうぞ」
「サンキュー」
あ…待って
再び立ち上がりお土産のお菓子を置いた。
「これ、可愛いから食べるのもったいないよね」
「そういうだろうと思ってた」
「生姜味のラムネってどんなだろ」
ひとつ取って先に瑛太の口の中へ
そして自分の口の中へラムネを入れるとふんわりと溶けはじめる。