怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「後から生姜の味がするね」
「木型で作ってるんだってよ」
「へぇ~」
ポンポンと隣を叩くのは、やっぱり横に座って欲しいから
クスッと笑って隣に座るのはドキドキしても隣にいたいから。
「今日、どんなだった」
「ん…最初はみんな驚いてその方がいいとか どうしたのとかどんどん聞いてきて…。注目されたからすごい緊張しちゃった」
「まぁ他のやつにしたらそれが普通の反応だよな」
不安になって何度も助けを求めようかと課長を見たことや課長もずっと見ていてくれたこと。仕事が始まってもドキドキしてたこと
そして瑛太が言った通りに彼氏の話題が出たって話しになるとクスクス笑った。
もじゃもじゃの家のリビングだと思う事にしたんだけど
なかなかそう思えなくて―――。
その時の心の中を落ち着いて話し柊哉がいてくれた安心感もやるだけやってダメなら逃げても瑛太が迎えに来てくれると思った。とりあえずやろうと踏ん張れたと嬉しそう。
同僚たちの反応も大うけだったと美祈はクスクスと肩を揺らせて笑った。
「自分が思ってたより全然大したことなくて、あと2回頑張って勝ってねって言ってくれたの」
「だろ?そんなもんなんだよ」
「うん。注目されるのが怖かったんだけど悪くも言われなかったし誰も嫌いとかそういう事言わないでくれたしね。賭けをしてたって嘘ついちゃったのがちょっと気になったんだけど課長が嘘も方便だし誰も傷つけてないから大丈夫って言ってくれて安心した」
まぁあと何回かはやっぱり見慣れなくて
声が出ると思うけどすぐに落ち着くと美祈に話して聞かせた。
それは、髪型を変えただけでもそういう反応はあるから気にしない事と言われて大きく頷く美祈。
海辺の小さな町の少ない人数の学校ではなく大企業だという事も伝えた。
「ねぇ分校ぐらいだと思ってる?もっといるからね」
「あははは」